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軍艦島妄想リノベーションその3

2ヶ月ぶりのコラムとなります。
引き続き、軍艦島妄想リノベーションに関して書いていきます。

65号棟を題材に考える

まず、建物ですが前回の宣言通り65号棟で想定いたします。

65号棟は軍艦島の北面に位置し、終戦直前の1944年に北棟から建設が始まり、東棟、南棟と続き、最終的に1958年に完成した建物で、9階一部10階(そもそも地上階の設定が難しい)317戸の巨大RC高層住宅です。

調べてみると65号棟は清水建設の建設で、2016年に清水建設から長崎市に設計図を寄贈したというニュースを発見しました。詳細の寸法の記載のある図面を探していたので、早速長崎市役所に電話してみます。

先方からするとかなり不審に思われたと思いますが、今年の初め社員旅行で長崎に行き、軍艦島に興味が湧いたこと、会社の業務内容が内装工事であること、さらにHPでコラムの題材にしている旨を説明しました。

待つこと一日、連絡をいただきましたが清水建設と長崎市で、設計図は軍艦島の保全以外の利用はしないとの覚書を交わしていることからPDFやJPEGなどでのお渡しはできない旨を丁寧に説明していただきました。

残念。

よく考えれば、めったやたらにお渡しするものではないので当たり前ですが。

あとは軍艦島資料館に展示してあるのを写真に納めるしかないとのことですが、遠方なのであきらめることにしました。

妄想リノベーションらしく、想像と妄想で進みたいと思います。

話を戻して、65号棟は2Kの間取りが中心で、一階には歯科医院や美容室や商店などがあり、屋上には保育園があります。またコの字型のため中庭(町立端島公園)もありました。

部屋の中の様子

1950年頃の部屋の中の様子。

単身労働者の相部屋のよう。

 

 

 

1970年頃の部屋の様子

少しきれいになっています。

 

 

 

妄想リノベーション(本編)

※ここからは妄想です

そのため、65号棟は宿泊施設としてリノベーションすることとなる。

背景設定

1810年から始まった軍艦島(端島)の炭鉱産業は戦時、戦中の強制労働などの暗黒時代を経て、戦後の復興・近代化に伴い1959年に最高人口となる。同時期石炭産業政策が国で制定されたことから、政府からの援助を受け住宅の建設が進み世界でもまれの高密度の都市となる。

1970年ごろからエネルギー需要が石炭から石油に代わり、軍艦島の炭鉱産業は衰退の一路をたどる。

しかし、2000年ごろからハイテク産業が拡大しレアアースに注目が集まることとなる。

2010年に起きたレアアースを巡る対中摩擦により国内でのレアアースの採掘の検討がなされ、2012年に九州の西方の海底にレアアースを大量に含む堆積層があることが発見される。政府は軍艦島の海底坑道の三ツ瀬坑道と深さ-1000mになる第二竪坑を再整備しレアアースの採掘を施策として推し進める。かくして衰退していた軍艦島の産業はレアアース採掘として復興することとなる。

さらに、産業用ロボットの登場により過酷な労働環境は整備され、前時代の生産施設である櫓やベルトコンベアーまた、日本最古のRC住宅の30号棟などは観光施設となり観光産業も活発化することになる。

アクセスは高速船と小型セスナでの発着が可能となり、観光客向けの宿泊施設の確保が目下の課題となっている。

そこで、端島神社を除く木造住宅は解体され、30号棟と一部のRC住宅を除く1940年以前に建てられた建物は解体されることになる。島の南側を占めていた、採掘場は一部保存される櫓などを除き、解体され精錬工場が建設されることになった。小中学校及びその校庭は改修され、端島自衛隊駐屯地となった。

観光地ではあるがその季節は限定されており、上陸の際には身分証の提示、持ち込み荷物の検査がなされ入場には厳重なチェックが必要となっている。

残されたRC造の建物は耐震補強がなされ、商業施設や宿泊施設として改修されることとなった。そのうちの一つとして65号棟は低層階を商業施設、高層階部分を宿泊施設としてリノベーションされることになった。

ターゲット設定

宿泊料金は30,000前後。範囲国内外。島の性質上ファミリ―向けではなくディンクスをターゲットとする。

キーワードは「和」「高級」「リゾート」ではなく「歴史」「粗さ」
年齢層は「40代~50代」を想定する
又は30代廃墟マニア、以前軍艦島に居住されていた60歳代。いずれもカラーイメージとしては男性的ととらえる。

その他与件

  • 現状の2K2室を1室としてリノベーションする。(戸境壁は解体できるものとする)
  • 耐震補強は施工済みとする。
  • 用途変更申請を含む建築基準法及びその他関連法令は考えないものとする。
  • 工事予算(産廃費用・運搬経費含む)は考慮にいれない。

次回以降(やっと)図面作成に入りたいと思います。

現在のところの図面用資料は以下の通りです。

参考資料:【軍艦島の生活1952/1970】  【軍艦島30号棟夢幻泡影】 【実測・軍艦島】

(筆者:H.Sakuramoto)