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軍艦島妄想リノベーションその2

※上記写真 出典:ながさき旅ネット

約2か月ぶりの投稿になります。
引き続き軍艦島妄想リノベーションについて書いてみようと思います。

前回軍艦島について調べましたので、今回は具体的なリノベーションに進もうと思います。

リノベーションする項目について考える

現在の65号棟では(65号棟に限らす)現在RCの柱や梁の腐食がかなり進んでおります。

その理由として塩害があげられ、長く潮風にさらされているということが理由となりますが、資料などを読み込むと軍艦島のコンクリートは山砂ではなく海砂を使っているということでした。また、鉄筋は丸鋼どころか、鉱山のレールやワイヤーなどを使用していたということがわかりました。

これでは、コンクリートの内部がアルカリ性に保たれず中性化が進んで爆裂しやすいコンクリートといえます。

事実現在の軍艦島のRC造は風化よりも爆裂によるRCの破壊を多くみられます。

実は外部よりも内部からのダメージが多いのではと考えられます。

今回は妄想リノベーションですので、躯体に言及はせずに進みたいと思います。

ジャン化部分の錆補修とモルタル補修、クラックのある所は注入による補強のみと仮定します。

年間平均気温19度と過ごしやすい気候ですが、結露を考え外気に面する部分に断熱25㎜の吹付けようと思います。さらにRC造とはなっておりますが、すべてがRCではなく構造体部分のみでその他は腐食対策のため木造となっているようです。

蜂の巣のように、構造体部分のみRC造とし、その内部に木造の長屋をはめ込んだというイメージとなります。

ん?外壁が腐食防止のため木造?

まるで租界!?

ここでいろいろと疑問がわいてきました。
そもそも先ほどのワイヤーを鉄筋代わりにしてどのように構造計算して確認申請をしたのでしょう?当時は構造計算とはなかったのでしょうか。あれほど住居が密集していますが、建ぺい率はクリアしているのでしょうか。

端島の用途地域はどの地域になるのでしょう。

長崎市の都市計画図を調べると白地となっております。さらに調べると平成19年時点で高島町は70%/200%と記載された資料がありました。容積200%。

どうでしょう、感覚的にちょっと無理がある気が...。

別の資料を見ると、軍艦島内には敷地境界線がなかったようです。もちろん塀などのものもなく、道路境界線も信号もなかったということになります。(島で車はオート三輪が1台だけだった)

それだけにとどまらずどの建物も平行している箇所はなく、GLの基準もないので地上階が不明のため実測した方々は実に苦労し、屋上を0階、最上階を-1階と設定したそうです。

やはり軍艦島はまるで租界のような特殊な島だったといえます。

ここでコルビジェ!

軍艦島では時に島の稜線を超えて反対側まで波しぶきが届いたされており、その波との戦いの中で建物自体が防潮壁としての役割をなしていたといえます。

そのために防潮階というシステムをつくっておりました。

これは、台風にが来た時に島内は洪水のようになるのですが、近い部分をピロティとして遊水地として住居への侵入を防いでいたようです。

また、島内に緑地がないことから屋上庭園を造っていたことも有名です。

なんと、コルビジェの主張する近代5原則の2つがつくれていたのです。

特筆すべきは、デザインではなく防潮、緑地という必要に迫られた結果ということであり、デザインが機能に従った結果、こうなったということが素晴らしいといえます。

(もちろん当時の三菱の設計者がコルビジェの唱える5原則を既知で採用した可能性が高いと思われますが)

調べるうちに色々と発見があり、なかなか妄想リノベーションに進みませんが、以下に整理して次回ちゃんと具体的に進みたいと思います。

  • 用途地域や用途変更などは考えないこととする
  • 躯体部分の耐震や劣化は考えないこととする
  • 島までの運搬費用は想像がつかないので考えない(当時は島の方たちは無償だった)
  • 産廃費用も同様に通常の処分とする(昔は「メガネ」といわれるところから海中投棄だった)
  • 工事用水(島のため貴重)は使える前提とします
  • 工事用電源は支給とする(1966年社宅で労使で交わした資料を見ると年間132kw/hまで無料だった。ちなみに現代の一般家庭では年間4000kw/h以上らしいです)

以上結構ハードルが高いですね。

(筆者:H.sakuramoto)

参考資料:【軍艦島の生活1952/1970】【軍艦島30号棟夢幻泡影】【実測・軍艦島】